夫からこれまで度々暴力を受け、怪我をしたことも、警察沙汰になったこともあります。夫の暴力に耐えかねて実家に戻ってきましたが、夫に離婚を求めると逆上して、私や子ども、私の両親にも危害が及ぶかもしれません。不安です。
保護命令の申立てをお勧めします。
保護命令とは、配偶者からの身体への暴力を防ぐため、裁判所が、暴力を振るった配偶者(相手方)に対し、被害者である配偶者(申立人)に近寄らないよう命じる決定です。
具体的には、以下の5種類があります。
これらに反した場合、違反した者には、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられ、警察が刑事事件として立件することになりますので、通常は暴力がやみます。
① 接近禁止命令
6か月間、相手方が申立人の身辺につきまとったり、申立人の住居や勤務先の付近をはいかいすることが禁止されます。
② 電話等禁止命令
①の命令の効力が生じている間、相手方が次の行為をすることが禁止されます。
ⅰ 面会の要求
ⅱ 行動の監視に関する事項を告げること等
ⅲ 著しく粗野・乱暴な言動、
ⅳ 無言電話、連続しての電話・ファクシミリ・電子メール(緊急やむを得ない場合は除かれます。)
ⅴ 夜間(午後10時~午前6時)の電話・ファクシミリ・電子メール(緊急やむを得ない場合を除かれます。)
ⅵ 汚物・動物の死体等の著しく不快又は嫌悪の情を催させる物の送付等
ⅶ 名誉を害する事項を告げること等、
ⅷ 性的羞恥心を害する事項を告げること等又は性的羞恥心を害する文書・図画の送付等
③ 子への接近禁止命令
①の命令の効力が生じている間、相手方が申立人と同居する子の身辺につきまとったり、学校等その通常いる場所の付近をはいかいすることが禁止されます。
④ 親族等への接近禁止命令
①の命令の効力が生じている間、相手方が申立人の親族その他申立人と社会生活において密接な関係を有する者の身辺につきまとったり、勤務先等その通常いる場所の付近をはいかいすることが禁止されます。
⑤ 退去命令
2か月間、相手方に対して家から出て行くことを命じ、かつ、家の付近をはいかいすることを禁止する命令です。